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底辺ネットライターが思うこと

思うことをひたすら書くだけ

あった

これ。

teihen-writer.hatenablog.com

あった。

洋服を着替える度に(と言うと言い過ぎかもしれないけれど)思い出すこのベルト。ものすごくお気に入りのデザインだったにも関わらず、修復不可能な形でちぎれてしまったがために、捨てた。

もう一度あのベルトが欲しくて、これまで何度も「コンチョベルト 楕円」「コンチョ ベルト」「コイン ベルト」など言葉を変えて何度も何度も検索を繰り返してきた。けれど、巡り合うことができなかった。似て非なる物ばかり。

先日、少し良いデニムを買った。ものすごく履き心地が良いと話題だったデニム。ずっと欲しくて、けれど少しばかり高いのでいつかアウトレットで買おうと思っていたデニム。先日、ようやく手に入れた。

あまりもの履き心地の良さに私のテンションはマックスになった。夫は不思議そうに「そんなに?」と言いつつメンズを穿いた。お買い上げした。私が作ったデニムではないのに、妙に「してやったり」というような気分になった。

「このデニムに、あのベルトがあれば……」

そんな思いを馳せながら、今日もふと検索を掛けた。

『コンチョベルト』いつも通りの検索ワードだ。いつも通りの「とりあえずグーグルのショッピング検索」だ。これで見当たらなければ、楽天、ヤフーなどを渡り歩くのがお決まりのルート。

検索結果を見た時に「商品が全体的に入れ変わったな」と思った。これまで検索かけた時に見かけなかった商品ばかりがずらりと並んでいた。安物のどうでも良さそうなコンチョベルトが軒並みなくなっていた。

諦念を心の隅に抱きながら、画面をスクロールさせた。

 

あった。

 

私は、ひゅうっ、と息を呑んだ。目を見開いた。

ある。あのベルトが、ある。色はホワイトだけれど、ある。あのデザインだ。あのベルトだ。あのベルトに値段が付けられて販売されている。

私は震える手でベルトの画像をクリックした。表示されたのはヤフオクの画面。商品説明ページを見た。

「NANNIのコンチョベルト!中古です」

ブランド名が書いてある。NANNI。私はこのたった五文字に、大きな重みを感じた。私がずっと探していた五文字だ。神々しさすらあった。その五文字は私の眉間の辺りを撃ち抜いた。諦念が殺された。

ブランド名がわかればこっちのもんだ。『NANNI コンチョベルト』で検索。そうすると、いくつかオークションで販売されている物が出てきた。

ホワイトしかなければホワイトでもいい。けれど、できればブラックかシルバー。そう思ってキーボードの上に指を走らせた。

 

あった。

 

ブラックの、探していたベルト……。

私はすぐに購入ボタンを押した。購入ボタンを押す指には、何の躊躇いもなかった。

中古だからという理由もあるだろうけれど、値段が思ったよりもすごく安かった。そして、中古ということは在庫が少ない。即決しない理由がなかった。

もうすぐ、私の手元にあのベルトが、届く……。喜びが体に染みわたっていくようだ。

 

そして、まだ商品を手にしないまま、ホワイトも購入するべきなのか悩んでいる私が今ここにいる。食欲・性欲・睡眠欲は体に限界があるから求めるにも限りがあるという。権力欲や物欲や金銭欲は体に限界がないため、限りなく求めてしまうのだという。私もそんな欲望に取り憑かれた1人の人間なのだということを全身で思い知る。

人間とはなんと恐ろしい生き物だろうか。